名義変更が必要となる相続財産
1 相続では多くの財産で名義変更が必要になります 2 預貯金に関する手続き 3 有価証券(株式・投資信託など)に関する手続き 4 不動産に関する手続き 5 自動車に関する手続き 6 名義変更手続きは専門家へ相談すると安心です
1 相続では多くの財産で名義変更が必要になります
人がお亡くなりになると、その人(被相続人)に属していた財産(権利)や債務は相続人に承継されます。
これは、民法第896条において「相続人は、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」と定められているためです。
ただし、相続によって法的に財産を受け継いでも、すぐに相続人の名義に換わるわけではありません。
実際に利用や売却などをするためには、名義変更が必要となる財産が多くあります。
例えば、預貯金や有価証券、不動産、自動車などは、相続手続きを経なければ払い戻しや売却ができず、事実上財産を取得していないのと似た状態のままとなります。
以下、代表的な相続財産ごとに、必要となる名義変更等の手続きについて説明します。
2 預貯金に関する手続き
預貯金は、相続手続きが必要となる財産のなかでも代表的なものです。
金融機関は、一般的に被相続人の死亡を知ると口座を凍結します。
凍結後は、遺産分割協議など、相続人全員の同意がなければ解約や払い戻しはできません。
手続きには、相続関係を証明する戸籍謄本類一式、遺産分割協議書、印鑑証明書、金融機関所定の書類などが必要です。
金融機関ごとに求められる書類や手続き方法が異なることがあるため、事前に確認して準備を進めることが重要です。
3 有価証券(株式・投資信託など)に関する手続き
株式や投資信託などの有価証券も、運用や売却をするためには、基本的に名義変更が必要です。
上場株式を保有していた場合は、証券会社で相続手続きを行う必要があり、名義変更をしないまま放置すると、株主としての権利行使に支障が出ることもあります。
投資信託や国債なども同様に、証券会社を通じて相続手続きを行います。
また、相続税申告が必要となるケースでは、相続開始時点の残高証明書や評価額算定書を取得しておくと後の手続きがスムーズです。
4 不動産に関する手続き
土地や建物に関する権利は登記簿によって管理されており、相続が発生した場合は相続登記を行って所有権者の名義を変更します。
以前は相続登記の義務はありませんでしたが、長期間放置されたことによる弊害が社会問題となったことから、2024年4月の法改正により相続登記が義務化されました。
不動産登記法第76条の2に基づき、基本的には相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請が必要であり、怠ると過料(10万円以下)の対象となる場合があります。
遺産分割協議が長期間まとまらず、不動産を取得する相続人がしばらく決まらない見通しである場合は、法定相続分による相続登記や相続人申告登記を行うことで、罰則の適用を回避できます。
5 自動車に関する手続き
自動車も相続財産に含まれます。
自動車の名義変更は、運輸支局(軽自動車は、軽自動車検査協会)で手続きをします。
被相続人名義のままでは売却や廃車ができないため、早めに名義変更を行うことが望ましいといえます。
また、自動車の使用を続ける場合は、自動車保険契約者の変更も必要です。
この手続きを怠ると、保険金が請求できなくなる可能性があるため注意が必要です。
6 名義変更手続きは専門家へ相談すると安心です
名義変更が必要となる相続財産は、不動産、預貯金、有価証券、自動車など多岐にわたります。
それぞれ手続きを行う機関や、必要とされる書類が異なり、中には期限が法律で定められているものもあります。
特に不動産については相続登記の義務化が始まり、期限内に行わないと過料の対象となる可能性があるため注意が必要です。
預貯金や株式に関する手続きも、相続人全員の合意が必要となるため、生活資金や相続税納付のための資金が必要な場合は、早めの準備が欠かせません。
相続が発生した際には、専門家に相談し、相続人や財産を正確に把握したうえで、必要な名義変更を適切な時期に行うことが大切です。






























